タイトルの、「黒い言葉」という言葉に誘われて購入した。
 序に、「豊饒の「黒」」とある。
「黒」は、なんと魅力的なんだろう。
 別の「黒」だが、『赤と黒』なんていうのもあった。
 ドストエフスキーもスタンダールも、その読解なんて、とうに忘れた世界だけれども。
 この本は、ドストエフスキー作品の中の言葉から、それらの訳者でもある亀山氏が、現代人にとって魅力的と思われる言葉を抜き出し、解説を加えたものという。
 昨年2021年が、ドストエフスキー生誕200年だった、その言葉。
 いまや人間分析にいかほどの価値があるのだろうか。
 人間分析でなく、人間の力となる言葉、理念、信じるに足る何物かが、武器として求められているのではないだろうか。

























